フツウ 1994年 素材:血液、ゴムチューブ、採血パック、水、風呂桶 サイズ: 会場:ギャラリーなつかb.p 東京
この時期のパフォーマンスは、起承転結を僕自身が決めるのではない方法を模索していた。 走れなくなるまで走ったり、我慢できなくなるまで息を止めるなどだ。 そんなシリーズの中でこの『フツウ』は僕自身の普通な事。 生きているという事を見せてみようと思ったんだ。 体内を流れる血液を外に出した時点で、それは普通ではなくなる。僕らは血というものに必要以上に過敏であるように思うが、きっと出血の背後にある死という現実をDNAにインプトされているんだえろう。 このパフォーマンスでは、採血パックのチューブを13Mに伸ばし会場の観客全員にそのチューブを握ってもらった。 僕は自分で採血用針を人体に差込み、ゆっくりと体から観客へと流れていった。 最終的に、失神するまで続けようと思っていたが、観客の一人が卒倒した時点で修了した。