Final Packing 2003年 素材:紙粘土 サイズ: 会場:Murata & friends Berlin、Germany
Final Packing 2003 material: paper clay size: place:Murata & friends Berlin、Germany
1999年に初めてベルリンに旅する機会があった。 その時、まだ町は東ドイツの面影が残り、レンガ造りの家々のファサードはまだ崩れ落ちている場所も多かった。 その反面、空にはニョキニョキとビル建設のアームが資材を引き上げているのが幾つも見えていた。 その時に僕の目に飛び込んで来たのは、壁や柱に痛々しく残る第二次世界大戦の弾丸の傷跡だった。 日本で広島の原爆ドームなどある特別な場所に行かないかぎり見ることが無くなった国に住んでいる僕にとって不思議な気がしたものだ。 戦争の歴史と共に暮らす人々。 このときに僕は、この弾丸の跡を模ったら面白いだろうと直感した。 日常化した風景の一部を再提示したときに新しい意味と感覚を呼び起こせるのではないだろうかと考えて今回製作した。