この展覧会は、友人と立ち上げたアーティストランのアートスペースの最初の展覧会として行われた。
画廊形態になる前の手芸店として使われていたむき出しの壁を取り入れた作品になった。
天井にスポットライトを取り付けたり床材を剥がしたりする中で、長年手芸屋として使われた壁に面白いカビの模様や、鏡を取り外した埃の跡を額で囲み、それ以外の壁を白く塗り直すことで作品とした。
額の内側はまるっきり壁であるし、外側はペイントされた壁になる。
見る人は、額の中のつまらない抽象画だと思いながら鑑賞するのですが、実はただの壁なのです。
塗るといった行為が絵画なら、この時額の外側が絵画であるとも言えたのです。
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